ウォールフラワー
涙脆い。
本当に最近涙脆い。
柴田理恵か僕かの二強状態まできている。
一時期の福岡バスケ強強時代くらいだ。
有吉の壁というお笑いネタ番組の中でとにかく明るい安村がやってた【フリーダムまさ江】は何度見ても泣ける。
とにかく謎の哀愁と愛嬌のある芸歴1年目49歳主婦に扮して、ポケットからキュンですという流行歌詞を派生していくネタだが、とにかく泣ける。
ネタ内のトピックスが
娘の趣味→夫との出会い→人生
というグラデーションになっていて、心に染み入る手筈がされていて美しい。
一番素晴らしいのが
「人生は一瞬です やりたいことをやるんです」という歌詞を絶妙なタイミングで差し込む。
家族の仲睦まじさ、芸人になるに至った経緯、お笑いについて考えた夜
そんなことを背景として勝手に考えてしまってグッと来ていつも泣いてしまう。
番組内でも佐藤栞里さんが泣いていたので、僕はそれを免罪符につられて泣いてしまった。
そんな風に気温が下がってくるとやけに人は涙もろくなって、勝手に哀愁を感じて、さらに寒い日にはなぜ人は余計に寒さを求めてしまうんだろうか。
遠征中の車の窓を開けて、あえて冷たい風を浴びてしまいたくなる。夏の暑い空気よりも嫌味がなく、どことなく寂しいあの空気が好きだ。
そんなことを考えながら深夜3時に映画【ウォールフラワー】を見終えた。体が爆発するかと思った。
この映画は作家を夢見る、ある秘密を持った少年の恋愛友情群像劇だ。
最後のセリフが『僕たちは無限だ』で終わるのが本当に素晴らしい。青春とは有限であり、逆算して生きるしかない中で最後にそのセリフが出てくるところに心が揺れ動く。
ふと生きてると自分で無限なものを有限にしている気すらしてくる。
英会話を習おうというバイタリティー。
気になった映画を映画館で見るフットワーク。
友達と気軽にコーヒー一杯だけ飲んで帰る気軽さ。
僕らの人生はほんの些細な無限が積み重なって、生活を作っている。
人生は一瞬だ。
だからこそ、無限の選択肢の中から好きなように生きていくしかない。
僕は音楽を選んだけど、会社員、劇団員、学生を選んだ人だっている。
今日僕はパンを食べたけど、ヨーグルトだけの人、何も食べてない人、カップラーメンの人もいる。
コマンドのように選択肢に埋もれて僕らは毎日を生きる。選択肢で溺れて死にそうになる日だってある。
ふとした日に「音楽、まじでだるいわー、コスパ悪」とか思ったり「芸人目指すべきだったわ〜」「指にタトゥー入れたい、側面ね」とか「あれだな、バンドで振り付けとかそういう域を超えて、ダンスとかするようになったら終わりだな」とか考えてしまう日だってある。
たった1日の些細な心の揺れ動きなんて無限とある。
窮屈で狭いこの世界で生きてても、車から顔出して走ってたら途端に自由になった気持ちになる。ウォールフラワーみたいに車の荷台に立てなくてもいい。
そんな風にいつもの生活と違う景色を見て、少し落ち着く日も大事だ。
映画や演劇、美術館でもいいし、公園に行くとか、行ったことない最寄りの飲食店とかでもいい。自分の心の空気の入れ替えが必要だ。
僕らの人生はそんな些細な思い込みで変えれる。これは僕にも言い聞かせたい。
皆さんの今日が変わらず無限でありますように。
では。
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