眠れない夜を優しく包む恋のメロディー
春の陽気に似た天気の良い日が不意にやってくると「あー、人を殺してー。」
となってくる。
現在の法律で殺人は罪になるので到底そんなことはしないが、伊坂幸太郎の作品で「なぜは人は人を殺してはいけないのか」をいろんな人に質問する少年が登場するぐらい、命の在り方はずっと問われている。
別に殺したい人がいるわけではないし、今の生活が困窮しているわけではない。いや、苦しいけども。
不意にどこか遠いところに行きたくなってしまう。仕事を休んで海に行くみたいな物理的にではなく、今の自分じゃない自分になりたくなってしまう。
殺人を犯して新たな人生を生きるなんて、なんて迷惑極まりなく愚かな人間の行うことである。自殺だってしたいわけじゃない。痛いことは嫌だし、まだまだ見たい景色はたくさんある。
銀杏BOYZの峯田はライブMCで「俺だって人を殺したいって思うことがあったけど、殺せなかった。友達がいたから、音楽がいたから」と語っていた。(そのあとの曲はSKOOL KILLだった)
僕らはいつも【しなかった】ではなく【出来なかった】ことに救われて毎日生きている。
先輩の説教がどうしても嫌になった時に、全力でグーで殴ったらどうなるんだろうと考えたことがある。
一時期はこの「お前なんていつでも殺せるからな?」と自分に言い聞かせて、そういう場面を乗り越えたが、多分違う。
僕らは家に帰って待ってる人や帰り道に聞く音楽や目の前で説教してくれる人の優しさを無意識に裏切ることが出来なくなっている。
そのおかげで、なにもない平凡で当たり障りのない、どこにでもある普通の風景を生きることが出来ている。
その優しさを裏切ったり、見て見ぬ振りすることが出来る様になるときっと説教中にグーで殴ったり、人を殺したり、悪政を人はできる。
【もーいちいち言わんだけで俺だって誰かを殺したい 言う?
不条理に遭遇して「不条理!」なんて言う?】
ハヌマーンというバンドのリボルバーという曲の歌詞の一部だ。学生のときに聞いた一節が僕をまだ支えている。
人生はいつもよく分からない方向にだけ動く。いつもいつも。
不条理な方向にだけ進む日々には僕らは何が出来るんだろうか。学んで、手を動かして、声を上げて。
ちょっと疲れたら銀杏BOYZ聞いて、たまに映画見て。
それで新宿の東口にいるやつ肩をぶつけられたり舌打ちされたら心の中で殺してやろう。
銀杏BOYZ、みんな聞いてな。
僕の好きなものでした。
何かお題あったらメールなりなんか連絡してください。
では。
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